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初学者のひとりごとメモ

平等と公平の違い。3人の人が棚の上のものを取ろうとするとき、それぞれの身長に適した踏み台を提供するのが公平である

カテゴリ: 学習メモ

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Webアクセシビリティのこと

投稿日:2024年2月24日

出逢い

私がWebアクセシビリティに興味を持った切っ掛けは、2023年11月11日(土)に行われていたアクセシビリティカンファレンス福岡にオンライン参加したことでした。

「本来なら達成されて当然であるべき基準が、当然のように(慣例として)蔑ろにされている」という現状をこのとき初めて知り、それに対して果敢に取り組む人たちがいる、ということに、私は衝撃を受けました。
以来、関連の書籍を買って読んだりウェビナーに参加したりしながら、コツコツと勉強しています。

ただ、卒業制作(アトリエ金工やまぐち様トップページ)にはまだアクセシビリティ関連の勉強が反映できていません。というのも、この卒業制作を作成したのは昨夏の終わり頃で、まだアクセシビリティの「あ」の字も知らなかったもので……。
「この概念に、卒業制作を作る前に出逢っていたかった」という悔しさはありますが、そこはそれ、順次修正していくこととします。寧ろアクセシビリティに配慮できていないアンチパターンとして自分の作品がある分、修正もやりやすく、修正前後で載せておけば違いもわかりやすくなるだろうという期待もあります。

「そんなこと」の向こうに

なぜ自分がこんなに強くWebアクセシビリティに興味を持ったのか?と改めて考えてみました。

それまで私が学習中に見てきたのは、「マウスとキーボードをごく当たり前に使い、日本語の読解力や視力にも問題のないユーザ」を前提にしたデザインばかりでした。正確に言えば、それを前提にしていることにすら気付いていなかったのです。
そうしたユーザ以外の、サイト閲覧に際して何かしら補助やツールが必要な少数派のユーザを想定したとき、その対応は恐らく企業にとって「大変なこと」「面倒なこと」―――「そんな(益にならない、些細な)こと」になってしまうのでしょう。
だから、本来ならば達成されて然るべき基準にも関わらず、準拠していない(取り組んでいない)サイトが多い、という事態になっているのではないか、と推測します。

この、「そんなこと」というのが曲者なのです。
「そんなこと」は、気にしても解決しても直接的な利益になりづらいものです。同じ予算でさらなるCVアップツールを入れた方がよほど数字が上がるのかもしれません。
しかし、「そんなこと」が解決されていないために、本来ならば得られるべき情報を取得できない人、という存在が確かにいるはずです。
それを考えたとき、無数の「そんなこと」が未解決のまま放置されてなあなあで回る社会というのは、「そんなこと」の向こう側に追いやられた人々の上に胡坐をかいて回るみっともない社会ということになるのではないでしょうか。

Tabキーでのフォーム操作が上手くいかなかった。「そんなこと」で、本来ならオンライン手続だけで済むはずのところを、わざわざ郵送する羽目になった。

画面が見えないから上手くチケットやグッズを買えない。「そんなこと」で、誰かの手を借りて買い物をしなければならなかった。

画像に何が映っているかわからない。「そんなこと」で、誰かにページの説明をお願いしないといけなかった。

世の大多数の人がひとりでできる「そんなこと」を、自分はわざわざ”他人にお願いし”ないとままならない。
その無力感や罪悪感の積み重ねは、間違いなく人の自己肯定感や尊厳を削ります。
だからそれを、「そんな些細なことにいちいち解決リソースを割いていられないから、不便があれば誰かにお願いしてください」と突き放す社会であってほしくはない。
個々人の力に頼るのでなく、システムで「そんなこと」を解決しなければならない。

私がWebアクセシビリティに強く興味を持ったのは、「そんなこと」の解決に関わる分野だからだからなのだと思います。

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