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初学者のひとりごとメモ
カテゴリ: 勉強会
タグ:読書会
読書会 2024/04/07
投稿日:2024年4月10日
このところ集中して本を読めていないので、所属するコミュニティで読書会を企画した。
参加者は私と先生含めて4名。この人数で、議論の時間も含めて2時間ちょっとくらい。
手順
- Webデザインを勉強し始めてから買った本を参加者で持ち寄る(何冊でも可)
- 持ち寄った本の中からどれでもいい(自分が持ってきた本でも他人が持ってきた本でも)ので各自選ぶ
- 15分読む(時間内に読める範囲で可)
- 読んで得た内容を15分でまとめる
- まとめた内容を各自10分以内で発表する
目的
- 自分の持っていない本と出逢う
- とにかく「読む時間」を強制的に作る
- 読んだ内容を発表することで知識の定着を狙う
自分の読んだ本と内容まとめ
- 読んだ本:『Visual Grammarーーデザインの文法』Christian Leborg (著)/ 大塚 典子 (訳)
- 読んだ箇所:Abstract(抽象)
要約
アブストラクトオブジェクト:「即物的に描かれることのない、理念上の形」
- 点(一次元)
- 線(一次元)
- 面(二次元)
- 立体(三次元)
※我々が認識できるのは立体(三次元)のみで、それ以外の次元は抽象的になり、想像することしかできない。
フォーマット
面、空間、時間の制限
アブストラクト構造
構造(オブジェクトが互いに関連性を持って配置されているもの)のうち、構造を示す線が不可視であるもの。構図を読むことができてはじめて構造を説明することができる。
- フォーマル:オブジェクトが均等に配置されている
- グラデーション:繰り返し構造に似るが、構造単位のサイズや形が同じ割合で変化する
- 放射:フォーマルな繰り返し構造のうち、中心が共通なもの(同心放射、遠心放射、螺旋など)
- インフォーマル:構図のオブジェクト配置に規則性がない。構造線が見えてもその構造線が直線で作られていない。
- 視覚的配列:目で見て判別できる構造。類似構造
- 不可視構造・非アクティブ構造:???
- 構造の骨組み:???
わからなかったところと先生からの補足事項
先生から
西洋の思考の前提を知ると理解できるかも?
- 日本では江戸時代くらいまでこうした「抽象」の概念が薄かった⇔西欧の「抽象化」(メタ視点を持ったり、なんにでも当てはまるようにする)
物の捉え方も違う - 日本は自然災害が多い土地なので、それを「八百万の神々」として捉えることでなんとかかんとかやってきた
⇔自然災害の少ない西欧では一神教になり、畢竟「神が作ったもの(≒人間も含めた自然):人間が作ったもの」になる。「神の作りたもうたものをそのままにしておくと人間はやっていけないので、自然を支配していかなければならない」という発想→農業、都市計画の発展 - 抽象化は西欧にとって必要な発想だった
- 日本では、寺子屋が出てきたくらいでようやく比喩・喩え(≒抽象化)ができるようになってきたのではないか
- この本では、「グラフィックのエレメントをどう捉えるか」を前半に書いている
- あくまで「西欧の考え方に即した本」なので、これが絶対の正解というわけではない
- 西欧は立体的、日本は平面的(→19世紀後半くらいのジャポニズム)
構造の骨組みのところでいきなり出てきた「エネルギー」「フォーム」「プロポーション」の定義
オブジェクトが二つ以上あるとき、たとえばすごく近かったらそこの間に「(ぎゅっと詰まるように)見えない力」を感じる。こういう、「見たときにどう見えるか(≒受け手の問題)」の力
構造・構造線
画面に二つ以上のオブジェクトがあった場合、受け手はどうしてもそれらの関係性を考える。この関係性のことをここでは構造と呼んでいる。
そのときにそこに見える(ような気がしてしまう)のが構造線。
感想
とっつきやすそうなキャッチーな表紙とは裏腹に、ゴリゴリに数学の話が出てきた……。
「抽象」という言葉は、芸術などでは「はっきりした物体ではない模様など」を指すことが多いが、ここでは「想像するしかない(三次元の現実では物理的に再現不可能な)概念」のことだった。