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初学者のひとりごとメモ
カテゴリ: 勉強会
タグ:FLNTHINKDLAB
FLN ThinkD Lab VCD勉強会 2024/04/24
投稿日:2024年4月25日
今日は月一のオフライン勉強会。初参加の方もいらっしゃり、参加上限満員御礼で盛り上がった。
4月から新年度ということで、今回から数回は「ユーザビリティ」について演習をするとのこと。今回は導入とお題決め。
ユーザビリティについて
参考:ニールセンのユーザビリティ概念モデル
使いにくいデザインが生まれる理由
- デザインは見栄えを良くすることだと思い込んでいる
- 頭の中に「ゴムのユーザー(制作側が意図した通りに動いてくれる架空のユーザー)」がいる
- コンテキストの把握が不十分
ユーザビリティの目的
ユーザビリティは、ユーザーが利用する際にかかる負担(身体的負担・心理的負担・社会的負担)を減らすことを目指す(特に心理的負担が見落とされがち)。
ユーザビリティは”おまけ”か?
ユーティリティなどに比べてほめられにくい……目に見えにくい、「できていて当たり前」感があるので、あまり注目・注力されない。
※ユーティリティ:(なくても困らないが)それを追加することによって、今に比べてよりよく使えるようになるもの。
ex.LINEのスタンプ
しかし実際には、「ユーザビリティ」はまず「使えるかどうか(≠使いやすいかどうか)」の話なので、軽視するのは問題。
「マイナス要素を修正していく(=ユーザビリティ向上)」をやらずに「プラス要素を追加していく(=ユーティリティ向上)」ばかりやるのは歪。
人によるサービスとコンピュータによるサービス
コンピュータによるサービスは、内部の処理プロセスがわからないので、サービスを受ける側からすると不安
→対話式に操作を進める必要がある。これもユーザビリティの確保
ユーザビリティ評価をやってみよう(評価対象設定編)
参照:『ユーザビリティエンジニアリング―ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法―』樽本徹也
ユーザビリティ評価法の種類
- 実験的手法:実在するユーザのデータに基づいて評価
- 【メリット】事実のデータが取れる
- 【デメリット】完成したもの(現行で動いているサイトなど)がないと実施できない
- 【デメリット】時間と費用がかかる
- 【デメリット】分析するポイントを事前に把握する必要がある(これを把握するために分析的手法を使う)
- 分析的手法:専門家が知識や経験に基づいて評価
- 【メリット】完成物がそろっていなくてもある程度分析できる(プロジェクトの初期からできる)
- 【メリット】時間と費用がかからない
- 【デメリット】実在ユーザのデータではないので、あくまで仮説に過ぎない
※「どちらの手法が良い」という話ではなく、二つは補完関係にある
今回は分析的手法を行う。分析的手法には「ヒューリスティック分析」や「認知的ウォークスルー」などがある。
ヒューリスティック分析の評価概要とネック
参考:10ヒューリスティックス(ニールセン)
※heuristic:心理学用語。必ずしも正しい答えではないが、経験や先入観によって直感的に、ある程度正解に近い答えを得ることができる思考法
- システム状態の視認性(適切なフィードバック)
- システムと実世界の調和(ユーザーの言葉で話す)
- ユーザーコントロールと自由度(間違いの許容と、非常口、取り消し、やり直し)
- 一貫性の標準化(同じように操作すれば、同じ結果が得られる)
- エラーの防止(エラーメッセージを表示するよりも、問題発生を防止する)
- 記憶しなくても、見ればわかるようにする
- 柔軟性と効率性(頻繁に利用される動作は独自に調整できるように)
- 美的で最小限のデザイン(余分な情報を与えない)
- ユーザーによるエラー認識、診断、回復をサポートする(平易な言葉、問題の指し示し、解決策の提案)
- ヘルプとマニュアル(探しやすく、作業に焦点を当てており、ステップが具体的である)
→【ネック】問題点を見つけすぎる・実施コストが意外と嵩む・そもそもこの分析が知られていない
認知的ウォークスルーの概要
- 人間の認知モデルに基づいて評価を行う
- ウォークスルー:芝居の立ち稽古
- 台本に沿って分析
- 「探査学習論」に基づいて問題を発見
- 目標設定:ユーザーが何をするかを自分で設定する
- 探査:ユーザーはどのような操作を行えばいいかUIを探査する
- 選択:ユーザーはタスクを進展するために最も適切と思われる(効率的な)操作を選択する
- 評価:ユーザーはシステムからのフィードバックを解釈し、タスクを正しく進展しているか評価する
今回はこちらの手法をやってみる。
認知的ウォークスルーの手順
- ユーザーの技能や経験を定義(習熟度)
- タスクを定義
- タスクを実行する操作手順と画面を定義
- 分析を開始する
- Q1.そもそもユーザーは「何をすべきか」わかっているだろうか
- Q2.ユーザーはインターフェースを探索して「やり方に気づくか」
- Q3.ユーザーは目的と正しい操作方法を「関連づけられるか」
- Q4.システムのフィードバックから、ユーザーは「操作が順調に進んでいることがわかるか」
テストする題材を決める
行政サイト、ネットスーパーのアプリなど様々な候補が出た中から、今回は「Uber EatsのWebアプリ」に決定。
次回、「誰が」「何をするか(ユーザー登録?商品の検索?お店の検索?パスワード変更?)」を設定するところから。