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初学者のひとりごとメモ

カテゴリ: 制作日誌

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アトリエ金工やまぐち様制作日誌1【企画編】

投稿日:2023年6月27日

茨城県にある鍛金工房、「アトリエ金工やまぐち」様のホームページリニューアル案を試作することになりました(トップページ及びAboutページ)。
制作日誌を掲載していきます。

基本情報

アトリエ金工やまぐち様について

  • 茨城県笠間市の山中にある鍛金工房
  • 多摩美術大学で鍛金を修めたのち、夫婦で鍛金制作を行っている
  • アートとして観る人の心に訴える個性的な作品であること、手作りだから伝わる温もりのある作品であることを大切にしている

鍛金について

金属加工技術のひとつ。
金属の展性(圧縮により薄く広がる性質)や延性(引っ張る力により延びる性質)を利用して、金鎚や木鎚、鏨(たがね:金属を加工する工具の一種。鎚と共に用いる)を使い、「絞り」、「打ち出し」などの技法を用いて成形していく。

現行サイトと現状の問題について

現行サイトを開く

  • 現在更新されておらず、展覧会や新作の告知ができない
  • 更新しているInstagramへの誘導がない
  • 価格の表示がない
  • 作品のメンテナンス方法が載っていない

作成目的

  • 「若い潜在顧客」に鍛金の魅力を知ってもらい、展覧会の案内ができるようにする
  • 既存購買層である「収入に余裕のある高年齢層」に対し、展覧会の案内ができるようにする
  • SNSとの連携:現在各自で更新しているInstagramアカウントへの誘導
  • 外部ハンドメイド通販サイトなどを利用できれば連携する
  • メンテナンス方法を載せる

ヒアリング内容

主な活動と商品

  • 展覧会(個人ギャラリーと百貨店などのギャラリー)
    ほとんど個人ギャラリー(個展は年1回~2回、グループ展などが3回~4回)、百貨店は年1回程度
  • 個人的に注文を受ける

商品は主にオーダーメイド一点もの(茶筒やアクセサリーなどの小型量産品もあるが、主力商品ではない)。ここが「伝統工芸品」との違いであり、「芸術作品」としての鍛金である。

クライアントの想い

安価な製品ではないので、生活がいっぱいいっぱいの人は購入が厳しいと思うが、お金に余裕が出てきたときに、今までとちょっと違う世界に目を向けて、「ああ、こういう贅沢もなんかいいな」と思ってもらいたい。
「実用品+α」のものを手に入れる喜びを知ってもらいたい。
「推し」のひとつに「工芸」が入ってくれたら嬉しい。

作品作りにおける信念やこだわり

  • 銅、鉄、真鍮、銀などを炎で加熱して金鎚で「絞り(板材の厚みをよせて厚みを変えることで器状にする)」や「鍛造(塊や棒材を叩いて細くしたり厚くしたりする)」などの技法を身に着け、伝統的な象嵌や彫り、錆付けや着色を自由に使えるように、技術を磨き続けること
  • アートとして観る人の心に訴える個性的な作品であること
  • 手作りだからこそ伝わる温もりのある作品であること

ターゲットユーザーの設定

「ターゲット≠既存顧客」なので、「今はまだ顧客でないが顧客になり得るユーザー(潜在顧客層)」に働きかけて顧客になるよう行動を変えてもらうことを目標とした。

1.ユーザー分析

まず、鍛金などを含むハンドクラフトや工芸通販のサイトでユーザーレビューを参照しながら、そのユーザーに起きた「出来事」、ユーザーの「状況」、利用時の「感情」フロー・「行動」フロー、そこから「見えてくるパーソナリティ」を、仮説を交えつつ分析した。

ユーザー分析の一例

2.心理状態のパターン

続いて、ユーザー分析を元に、購入するに至った心理状態とその解説を複数に分けてパターン化した。

心理状態パターンの一例

3.セグメンテーション分類

心理状態パターンから、ユーザーの思考属性を、
「1つしかないものがいい」⇔「大量生産品でもかまわない」
「長く使えるものがいい」⇔「頻繁に買い替える」
の4パターンに分け、セグメンテーション分類を行った。

セグメンテーション分類の一例

セグメンテーション分類のうち、「大量生産品でもかまわないが長く使えるものがいい」というユーザーの思考属性を、「1つしかないもので長く使えるものがいい」と変化させることを目標とした。

4.ターゲットユーザーの決定:若い潜在顧客層

  • ネット通販を使い慣れている30代~40代
  • 収入に大きな余裕はないが、芸術品や手作りの品への興味自体はある
  • 「なるべく長く使えるものが欲しい」と思っている
  • 「実用品は量産品でいい」と思っている
    →ここから「量産品じゃない世界にひとつの贅沢もいいな」と考えを変えてもらえるように働きかけるサイト

コンセプトの設定

1.コンセプトの情報整理

コンセプトにする情報は、細田 高広著『コンセプトの教科書』より、「【主語】が、【目的】するために、【役割】を担う」という構文に沿って整理した。

「世界にひとつ」は贅沢品だと思っている人たちが
「その贅沢に触れてみたい」と思えるよう
鍛金を身近に感じてもらう玄関となるサイト

2.コンセプトの設定

「世界にひとつ きんのぬくもり」

→「アトリエ金工やまぐち様制作日誌2【ワイヤーフレーム編】」に続きます

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